グローバル補助金を使ったVTT(職業訓練チーム)の経験
時期2016年1月~2020年1月
記入者栗山博道 (大阪中之島RC)
『ベトナムにおける内視鏡手術〜特に耳鼻咽喉科・頭頸部外科〜の発展と教育』
ベトナムダナン病院におけるVTT (Vocational Training Team-職業訓練チーム)プロジェクトは、2016年1月11日の鼻内内視鏡手術機器の贈呈式に始まり、1月28日に最終グループが帰国。医療事故もなく、今回のプロジェクトは無事終了致しました。今後5年間は、現地への視察、必要ならば再研修を含め、年に1~2回のベトナム訪問を考えています。
2015年1月、ダナン病院を表敬訪問しましたところ、耳鼻咽喉科領域での内視鏡手術がまだまだ進んでいないことを聞き及びました。帰国後地区財団委員からロータリーがなくてもベトナムだけはグローバル補助金が使えるようになったことを聞きましたので、1年後(2016年)のプロジェクト実施を念頭に準備を進めました。
まず、プロジェクトを立ち上げるために、クラブ内にVTT委員会を設置しました。
その後、関西医科大学理事長山下敏夫氏・同大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科主任教授(学長兼務)友田幸一氏に相談すると共に同大学准教授朝子幹也氏にも相談し、人選を進めてもらいました。
ここでVTTチームメンバーを紹介致します。チームリーダーは高島凱夫PDG、以下メンバー平本道昭、朝子幹也(関西医大)、馬場奨(同)、濱田聡子(同)、高田洋平(同)、栗山博道(大阪中之島RC)、戸田佳孝(同)、以上医師8名です。チームのメンバーが常々いろんな場面で顔見知りであることより、チームも盤石なものになりました。また関西医科大学の大きな協力は、プロジェクトの骨格の重要な部分であると思います。
実際の現地での鼻内内視鏡術手術は、副鼻腔炎を主に26例を行いました。関西医大医師の指導のもと、ダナン病院医師2名が鼻内内視鏡手術を最初から最後までやり終えることができました。また近隣の耳鼻咽喉科医が同手術の研修を行いました。これで今回のプロジェクトが成功したのではないかと自負しております。またダナン病院医師との友好が深められたことも、このプロジェクトが有意義であったことと実感しております。
プロジェクトにはVTTメンバー以外にも17名のロータリアンが参加して頂キ、チームを精神的また経済的に支援して頂きました。
プロジェクト通しVTT(医療関係)が成功するためには、
① 職業訓練には、数週間が必要。
② 医師派遣施設(大学、関連機関)の全面的な協力。
③ 受入施設の協力・親密度
④ 派遣医師の協力(奉仕の認識)とチームワーク。
⑤ チームとクラブとの良好な関係。
⑥ 医師免許証の関係から、受入国の厚生省、外務省とのコンタクト(在日大使館など)
などの要素を充分に整備することが肝要であると考えます。
簡単ではありますが、大阪中之島RC、共同提唱クラブ、大阪西南RC、茨木RC、D3520 3クラブ、D3350 1クラブで行いましたVTTプロジェクトを報告させて頂きます。