100th Anniversary

8. 新たなロータリーへの挑戦(2011年~2021年)

東日本大震災復旧復興支援

2011年3月11日14時46分、宮城県牡鹿半島沖130キロの大平洋を震源とするマグニチュード9.0の 大地震が発生し、震度7の激震と最大40メートルの大津波、福島第一原子力発電所のメルトダ ウン事故により東北地方は壊滅的な被害を被った。全国のそして世界のロータリーはすぐに立ち 上がり被災地に支援の手を差し伸べた。当地区でも震災直後には多くのロータリアン、ローター アクター他が、がれき処理、炊き出し、被災家屋の後片付け等のボランティア活動や不足食料、 物資補給のために現地に入り復旧活動に従事した。また、各クラブから総額1億900万円もの多額の義捐金が集まり、約2500万円が 被災地3地区に送られ、約3700万円は希望するクラブが独自に行う支援活動に充てられた。2011年7月には約4700万円の義捐金を地区で一括管理し、各クラブの支援活動に補助金を支給するための災害支援プロジェクトが設置され、復旧から 復興に至る息の長い支援を行う受け皿となった。 各クラブ及び災害支援プロジェクトが実施した支援事業の総額は1億3千万円に上った。

ロータリー財団の構造改革(FVP)

ロータリー財団は、補助金申請件数の急激な増加に伴いRI本部の事務処理能力が限界に達したため、補助金制度を抜本的に見直す「未来の夢計画:FVP(Future Vision Plan)」と名付けたプロジェクトを立ち上げ、補助金の事務処理手続き、認可権限を大幅に地区に移譲し、より効果的で大きな成果を上げる施策を骨子としたロータリー財団の構造改革案を策定し2013年より世界全地区に導入した。当地区でも2011年FVP委員会が設置され、FVPのスムーズな導入を目指して各種検討を行うと共に、全クラブを対象としたセミナーを開催し内容の紹介と啓発に努めた。新しい制度、仕組みへの各クラブの理解と適応は早く、補助金申請数で全地区のトップを行くグローバル補助金を用いた大規模な国際奉仕活動への取り組みは揺るぐことはなく継続され、また地区補助金を用いた国内外の社会奉仕活動も活発に行われ今日に至っている。

中長期ビジョン、戦略計画の策定:新たなロータリーの模索

1990年代後半からの先進国の会員数減少に危機感を募らせたRIは、時代の要請に応じた新たなロータリーの在り方の検討を進め、2010年に長期的な国際ロータリーの方向性を示すRI戦略計画を発効させた。また、2017年にはロータリーの理念を示す新たなビジョン声明が発表され、2019年にはビジョン達成のための新たな戦略計画が発効した。新たな戦略計画は、4つの戦略的優先事項とそれを達成するための行動計画、使命、中核的価値観からなり、5か年有効である。当地区では2015年に地区戦略計画員会を発足させ、地区の戦略計画(中長期計画)の検討を進めると共に各クラブにも委員会を設置しクラブの中長期計画策定を呼びかけた。また、2017年には今後5年間の地区ビジョンを策定し、各クラブにも地区ビジョンを踏まえたクラブビジョンの策定を推奨した。

元青少年交換学生ピューリッツア賞受賞

うれしいニュースもあった。2003-04年度ポーランドからの青少年交換留学生として高槻西RCのお世話で1年間日本で学んだアントニー・スロドコフスキーさんが2019年度ピューリッツア賞(国際報道部門)を受賞した。スロドコフスキーさんはロンドン大学卒業後ロイター東京支社に勤務し2011年東日本大震災を取材し全世界に発信した。その後ミャンマー支局長時代にロヒンギャ難民問題を取材しその功績が認められた。2019年4月から再び東京支社勤務で現在も高槻のホストファミリーと親交があり、高槻は第二の故郷と言ってはばからない。青少年交換により世界に大きく羽ばたいた若者の誇らしい事例である。

地区の変革

ロータリーを取り巻く環境の変化に応じたRIの動きに呼応して2660地区でも新たな動きが相次いだ。2015年にはIMの規模を適正にし新たな役割を果すため、それまでの8組体制が6組体制に再編された。また、それぞれの組織、グループの学友が一つの仕組みとしてロータリー活動を支援するため学友会が発足した。更には2016年のRI規定審議会で決定された例会開催頻度、出席要件、会員身分制度の緩和ルールを受けて各クラブは独自のルール策定を行った。2018年には地区初の衛星クラブ「大阪南なみはやRC」が誕生し、新しいクラブ誕生への新たな試みが始まった。2019年の規定審議会ではローターアクトクラブをRIの正式なメンバーとして迎えることが決まり、ローターアクトクラブの新たな役割が期待されている。

コロナとの闘い-その1-

2019年秋、中国武漢で発生したとされる新型コロナウイルス感染症はその感染力の強さから急速に世界中に広がり重症化死亡リスクの高さから世界はパニックに陥った。2020年1月16日に日本で、29日には大阪で最初の感染者が確認され、治療方法、治療薬も不明で4月7日~5月25日には初めての緊急事態宣言が発出され、医療現場のみならず社会全体が大混乱となった。ロータリー活動も大きな影響を受けた。2020年度の3月以降の地区行事は全て中止となり、各クラブの例会もほとんどが休会となったが、地区及び多くのクラブは困難を押して医療現場、教育現場、介護施設等で不足するマスク、フェースシールド、防護服、医療用テント等を独自のルートで調達し寄贈する奉仕活動を実施した。

コロナとの闘い-その2-

2020~21年度に入ると新たな第2波、第3波、第4波に襲われ、緊急事態宣言も2回発出されたが、3密回避等感染防止策や在宅勤務が浸透し、治療薬やワクチンも開発されコロナと共生する新たな日常が定着し始めた。ロータリー活動においてもZoom等のツールを用いたWEB会議が導入され、リアル出席とオンライン出席を組み合わせたハイブリッド形式での会議形式が浸透し、コロナ禍の下での地区大会等の地区行事、クラブ例会等でも採用され新たなロータリーの日常として定着した。

未来へ

こんな中、1922年に大阪RCが誕生して以来100年の歴史を刻み、2022-23年度に当地区は100周年を迎えることになった。奇しくも当地区では初の女性ガバナーが誕生し、RIでは初の女性会長が誕生する。ロータリーのビジョン、戦略計画をより効果的に進めるため、RIは多様性、公平さ、インクルージョン(DEI)への取り組みを強化する方針を打ち出し、また未来形成委員会(SRF)を設け時代に即した新たなロータリー像を検討中である。ロータリー精神を実践し、弱き人々、困窮する人々を助けることにより今の社会を支え、ロータリー精神に溢れた明日の社会づくりをリードするための未来への新たな歩みが始まる。