100th Anniversary

ロータリーマジック

過去事業を顧みて~ベトナムでの国際奉仕活動~

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対象分野国際奉仕
時期2019年1月18日~23日~
記入者北井雄大(大阪平野RC)

<内容>
私が大阪平野RCに入会して4年目の頃、国際奉仕委員長を仰せつかりました。次の国際奉仕活動の拠点を模索するため委員会メンバーと協議していた時、ある先輩会員がこう提案しました。
「我々は何十年も前から海外の国々で国際奉仕活動を行ってきている。ここで一度立ち止まって、数十年前に我々が奉仕活動を行った地域を訪れ、その後その地域がどういう状態になっているか、つまり、我々が過去に行った奉仕活動が現在も活かされているのかを見に行こうじゃないか。」
この提案には他の委員も満場一致で賛同し、国際奉仕活動の「その後」を確認する活動を企画しました。
ここでは、複数ある事例の中、1つの奉仕活動と「その後」について、お話したいと思います。

それは、2004年からのベトナムのVung Tau Cityにある学校に対する支援活動のお話です。
国際奉仕活動の基本である、現地ニーズの調査・発掘を行ったところ、少数民族の貧しい子ども達(3歳~9歳)が通う学校に支援することを決めました。
学校の先生に、どのような支援が必要かをヒアリングしたところ、学用品、制服、遊具等の「物品」ばかりで、それは今のニーズを満たすだけの内容でした。

しかしながら、我々ロータリアンの奉仕活動は継続して現地の人々のニーズを満たすものでなくてはなりません。そこで、我々の支援が終わった後も現地の人々が自立して生活できるよう、学校の先生が希望した物品以外に、ミシン10台とそれの訓練費用を提供しました。我々の具体的な考えは、職業訓練センターを設立し、先生方が制服やカバン等を作る。技術が向上すれば商品化し、その収益を教育に充てて頂く。このように教育に力を入れれば、子ども達の親ももっと教育に注力し、ひいては識字率向上に寄与するというものです。まさに「支援が必要な子ども達に魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教える」という国際奉仕活動の基本理念を具現化したのです。

それから15年後、我々は現地の「その後」を見るため、2019年に同地域を訪れ、そのミシンや職業訓練が現在も活用されているのかを確認しに行きました。結果は、同学校のミシンが置かれている部屋にはたくさんの色とりどりのきれいに縫製された衣服があり、今もミシンは活用されていたのです。現地のニーズを継続して満たしていることが確認でき、単年度では終わらず脈々と継続するロータリークラブの国際奉仕活動の素晴らしさを知り、大変感動しました。

現金や物資を送るのは簡単です。しかしながら、我々ロータリアンが去った後も現地の人々が自立できるよう考えてあげることが何より大切だと分かり、感動的な体験だったと今でも鮮明に覚えています。

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