100th Anniversary

ロータリーマジック

国の繁栄は教育から・ネパ-ル女性教育プログラム

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対象分野国際奉仕
時期2012年~2020年
記入者城ヶ辻保(大阪堂島RC)

過去に行われた大阪堂島RC国際奉仕事業の中で「日本ネパ-ル女性教育協会」支援を8年間にわたり継続してきました。
男性中心社会で女性の権利が殆ど認められていないネパ-ル山間部では、カバロレア(全国統一実力試験)でたとえ優秀な成績を残しても、家庭の働き手として家に留まることを強要され、学業を続けることができない女性が殆どです。これは、そんな山間部で暮らす、貧しくても優秀な女性を毎年10名選考し、ネパ-ル第二の都市ポカラの「さくら寮」で2年間暮らし、大学で教員免許を取得させるプログラムです。そのすべての費用は日本の理解ある支援者からの支援金で運営されていました。
「さくら寮」は山下泰子先生夫妻が発起人となり、善意の寄付で建てられた建物で、その趣旨に賛同した竹中工務店社員たちの無償の善意で設計されました。ポカラで教員免許を取得した女性教師は地元に帰り、3年間の教師生活を送ることになります。10年間で100名の女性教師を育て上げるプロジェクトです。
各年度の最優秀卒業生は東京の文京学院大学に一年間留学することができ、そこで学んだことを他の9名の先生に伝えるという素晴らしい教育循環システムは、ネパ-ル女性の地位向上だけでなく、山間部の教育機会の少ない子供たちに幅広い教育を提供してきました。
10年で100名の女性教師を育てる初期の目標は2020年に達成され、この民間で運営されてきたプロジェクトは2021年末で解散することになりました。10年間にわたりネパ-ル社会に及ぼした成果とその実績はネパ-ル・日本両国に認められ、これからは開発途上国支援を行うJICA国際協力機構に引き継がれることが決まりました。民間で築き上げたこの教育システムを日本政府・JICAにより大きく発展させてくれるものと期待します。
最優秀のご褒美で東京に学ぶネパ-ル教師の卵を大阪堂島RCが京都観光に案内し、淡路島で生まれて初めて海を見た時の輝いた眼が忘れられません。日本の戦後を復興させるには若者の教育しかないと、アメリカ上院議員フルブライト氏は優秀な若者をアメリカに招き、2年間大学に学ばせて、帰国したそのフルブライト卒業生が日本の戦後復興に大きく貢献しました。我々ロータリアンが今すべきことは「アジアの学びたい若者たちに教育機会を提供すること」であることを改めてこのネパ-ル女性教師育成プログラムから学びました。

 

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