ローターアクトクラブについて
記入者大阪のロータリー100周年記念誌編集グループ 矢部
≫ 第2660地区 ローターアクト委員会
(青少年奉仕部門)1982 – 2022
*はじめに
「ローターアクト」という言葉は、「ロータリー」と「Aim for action/Communication for understanding/Test for leadership」の頭文字を合わせたものです。
18才以上の青年男女が、社会奉仕・国際奉仕・専門知識開発などの活動で地域社会に貢献し、またその活動を通じて将来の指導者を育成するプログラムです。地域社会のあらゆるニーズを取り組みながら、参加メンバーが相互に友情を育み、奉仕活動で国際理解と平和を推進していきます。
*創設の前夜
1920年代、ロータリクラブ(以下RC)が1918年に活動を始めてすぐに、個々のクラブは青少年の活動の支援を始めました。この支援のモデルになる活動は、国際的に行われていた「Boy’s Week」が原型となります。地元の少年少女がよき市民となるよう非行や不登校、不健康を防ぐプログラムが行われ、RCもこの活動に参加します。国際ロータリー(以下RI)でこの活動が大成功を収めたことが発表されると、世界中に青少年支援の輪が広まっていきました。1950年代までRCはこのプログラムに積極的に参加し続けます。奉仕とリーダシップの育成に素晴らしい経験をもたらすこのプログラムから生まれたのが、1962年に創設されたインターアクトクラブ(12才~17才)です。そしてインターアクトクラブの年齢制限を超えた青少年の活躍の場を提供するために誕生したのが、1968年に創設されたローターアクトクラブ(18才~25才、現在は年齢上限撤廃)、通称RAC(ラック)です。
*創設の歴史
ローターアクトクラブ(以下RAC)設立の提案は1968年1月にRIで承認されました。時を置かずしてシャーロット・ノース・RC(米国ノースカロライナ州)の会員は、地元大学の学生と協力し、1968年3月13日、世界初のRACがノースカロライナ大学チャペルヒル校に設立されました。その後の数週間で多くのRACが米国、メキシコ、イタリア、インドで立ち上げられ、1年後には25の国や地域に200を超えるRACができました。日本では川越RCの提唱で1968年6月1日にに創立された国際商科大学RAC(現・川越RAC)が第1号となりました。2660地区でも1968年11月に大阪北RCにRACが誕生、翌年には大阪RCも続き、2022年現在、2660地区には東ゾーン、西ゾーン併せて25のRACがあります。
*活動の内容
2660地区では半世紀を超えて奉仕活動を続けてきました。以下にその具体的な活動を紹介しましょう。
クラブ奉仕
一泊研修会/ハイキング/パーティー/他クラブとの交流/公園、道路の清掃/福祉施設への訪問/植林や花壇の手入れ/チャリティーバザー/献血/古切手の収集/ベルマークの収集/コンピュータによる点訳奉仕/ソフトボール大会/キャンプファイアー/ガイドブックの刊行/ウオークラリー/スキー大会
国際奉仕
海外RACとの交流(国内・国外)/留学生との交歓
職業奉仕
ロータリアン経営の職場見学/一日駅員/一日キャディ
盛りだくさんの活動を継続してきた当地区の奉仕活動ですが、特に力を入れている活動は以下の項目です。
献血活動
八尾東RCでスタートした活動が地区全体に広がり、1993年には地区の活動として正式に承認されました。年に2回、地区の活動になってからも30年近く続いています。2021年度からはこの献血活動が全国の各地区でも行われるようになってきていますが、当地区でのシンボル的な活動と言えるでしょう。
海外研修
海外のRACと交流し、お互いの活動を発表し合って相互理解を深め、懇親を深める場でもあります。初期の頃は外貨の持ち出しが制限され、一ドルが約300円という戦後の為替レートがまだ適用されていた頃から、各クラブの補助も受けつつ万難を排して交流をスタートしました。アジア、ヨーロッパ、オーストラリアなど世界各地での研修実績がありますが、なかでも香港、シンガポールのRACとは長い交流実績があり、RACのOBやOGの方々の中には、今でも交流を続けられているケースがあります。
特別な活動
1995年の阪神淡路大震災、2011年の東日本大震災の時は、RACの特別チームを編成し、現地に入って該当地区のRCやRACと強調しながら清掃等のボランティア活動に力を注ぎました。また、2004年に大阪でロータリーの国際大会が開催されたときは、同時に回されたRACの国際大会の準備のため4年のあいだ準備を行い、全国RACの中心として見事に大会を成功させました。
奉仕を通じた友情
会員は月に2回の例会を基本に、上記に記したいろいろな奉仕活動に参加することができます。こうした奉仕活動を通じ、地区内外の会員と相互理解も深まっていきます。結果として一生付き合える友人ができたり、さらには生涯を共にするパートナーと出会うことも決して珍しいことではありません。RACメンバー同士で結婚されたカップルは既に多数おられます。正にRACの非公式標語「奉仕を通じた友情」の精神が脈々と息づいています。
*これからのRAC
2020年1月、RI理事会はRACを対象とする調査の結果に基づき、RACについての追加の決定を行いました。RACは2022年7月1日よりスポンサークラブより独立して、直接RI直下のクラブとして活動することになります。また、所属会員の承認を得た場合は、年齢制限を廃止することもできるようになりました。RACはこれより新しい時代へ歩みを進めることとなります。