『東日本大震災の復興支援』 ~岩手県陸前高田市長部小学校への網戸寄贈の思い出~(茨木西:宮里唯子)
2011年当時、東日本大震災のために地区内クラブから実に多額の義援金が寄せられました。当初、全額ガバナー会に送金、被災地への緊急支援活動を期待致しましたが(一部の拠出を除いて)いつまでも実施される様子もなく、当地区はじめ多くの地区が返金を要請、その後各地区が独自の被災地支援に取り組むことになりました。当地区は7,000万円以上の返金を受け、各クラブの支援活動への補助金として全額活用致しました。
一方、ロータリー財団は(おそらく世界で初めて)東日本大震災の復興支援にかかる財団補助金プロジェクトの審査と承認の権限を暫定委員会「東日本震災復興基金日本委員会」に移譲致しました。つまりガバナー会から返金された基金と財団補助金を活用して、被災地の支援を行うことができたわけです。 その申請第1号が(当地区としては異例ですが)地区提唱の岩手県陸前高田市長部小学校に網戸を提供するという事業でした。 これは当地区の福家パストガバナーが被災地のロータリーにネットワークをお持ちだったため、地域調査(ニーズの掘り起こし)が迅速に行われた結果の支援事業です。陸前高田市には多くの水産加工場がありましたが、地震と津波によって壊滅してしまいました。その結果、原料である魚介類が広い範囲に飛散、腐敗し、大量のハエや衛生害虫が発生してしまったのです。長部小学校では特に給食の時間に教室内に大量侵入するということで、外気温が上昇しても窓も開けられず、衛生的にも苦慮されているということでした。
当時私も地区災害支援プロジェクトと臨時に発足した委員会で委員を務めておりましたので、東日本震災復興基金日本委員会への補助金申請手続きから最終報告書の提出まで全てを実施するにあたり、網戸設置に先立ち現地を訪問、関係者の皆様と面談のうえプロジェクトの検証を致しました。 忘れられないのは、学校視察時に先生が涙を流されたことです。甚大な被害を受けた故郷へ、自宅やご両親、親族、お友達を失くした子供達への思い…そしてロータリーの活動への感謝の涙で、私も微力ながらさらなる支援を胸に誓ったものです。