100th Anniversary

地区活動の足跡

インターアクトについて

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対象分野青少年奉仕-インターアクト
記入者100周年誌編集グループ

*はじめに

 「インターアクト(INTERACT)」とは、「国際的な(INTERnational)」と「活動(ACTion)」を意味します。12歳から18歳までの青少年が奉仕のプロジェクトを計画・実行することで、世界を知りリーダシップを身につけるプログラムです。このプログラムを実行するクラブをインターアクトクラブ、クラブ会員をインターアクターと呼びます。地元のロータリークラブ(提唱クラブ)の支援を受けて、学校や地元地域でのプロジェクトと国際理解を促進するプロジェクトを実施します。

*創設の歴史

ハロルド・トーマスRI会長(1959-1960)は任期期間中、各国への視察を頻繁に行っていましたが、特にヨーロッパにおける視察で気になったのが、いろいろな青年クラブの活動が活発に行われているにもかかわらず、組織も運営も友好活動も満足できる水準に達していないことでした。そこで考えたのが、世界中のロータリークラブが参加できる、青少年のための組織的活動の必要性でした。早速RI理事会でこの新計画を提案、理事会はこれを了承し、インターアクト特別委員会を組織して具体的な活動内容の策定に入りました。

そもそもRIは、1916年に「青少年問題委員会」を設置しています。1960年に設置された特別委員会は40年以上の歴史を遡って、ロータリークラブが過去においてどのように青少年問題への対応をしてきたかを理解するところから調査・研究を始め、2年間の様々な討議を経てこの新計画の定款が完成、インターアクトという名前をつけました。この名前は、委員会が提案した「地域、国、国際のすべての活動面におけるクラブ間および会員間の協力」を表すものでした。RI理事会は1962年10月にこれらを承認しました。

*インターアクトクラブ第1号

インターアクト計画が発表されて最初に結成されたインターアクトクラブ(以下IAC)は23人でスタートした米国フロリダ州メルボルン高校IAC(1962年11月5日認証)でした。1962年はその後20のIACが認証を受けています。米国以外で最初に認証を受けたIACは、当時のRI会長ニティシュ・ラハリーの祖国インドでした。日本で最初に認証を受けたのは、宮城県の仙台育英高校IACで、1963年6月27日のことです。設立時のインターアクターは100人を超えていて、当時の世界最大IACでした。翌日の6月28日、まだ今の2660地区が365地区(大阪、和歌山、奈良、京都、福井、滋賀)に含まれていた時代ですが、同地区の京都府立西京商業高校(現・西京高校)が一日遅れで活動をスタートさせています。

大阪市立東高校インターアクトクラブ結成式

現2660地区ではこの計画がRIから発表された1962年10月より、組織要項をRIから取り寄せて市内各クラブの青少年委員長の連絡会議を開き研究を重ねていましたが、当初はなかなか結成の見通しが立ちませんでした。対象となる高校生自体にこのようなクラブ活動を行う時間的、精神的余裕がないことや、学校の教師にロータリーの考え方を受け入れる準備がないことなどの要因が挙げられていました。大阪RCがスポンサーとなって大阪市立東高等学校に21名のIACを設立したのは、RIが計画を発表して6年後の1968年7月16日のことになります。

 

 

*IACの現在

現状の活動については2660地区の「インターアクトについて」に詳しい記述がありますが、以下に概略を記します。

(1)目的と目標

    IACの国際奉仕の目標は,奉仕の理想に結ばれた青少年の世界的友好を通して、国際理解、国際親善及び平和の促進をおこなうことであり、また、地域社会及び学校奉仕については、各IAC会員が、地域社会及び学校生活に奉仕活動や年間行事を通してリーダーシップを育むことにあります。詳細は次の通りです。

 1.建設的な指導力を養成し、自己の完成を計ること。

 2.他人に対する思いやりと、他人の力になる心構えとを奨励し、これを実践すること。

 3.家庭と家族の重要性に対する認識を涵養すること。

 4.個人の価値を認める考え方に立脚して、他人の権利を尊重する観念を養うこと。

 5.個人的成功のためにも、地域社会の改善のためにも、更には団体としての業績を挙げるためにも、各人が責任を負うことがその基本であることを強調すること。

 6.すべての有用な職業は社会に奉仕する道であるとして、その品位と価値を認識すること。

 7.地域社会、国家および世界の問題についての知識と理解を深める道を提供すること。

 8.国際理解として全人類に対する善意を推進するために、個人としてまた団体として進むべき道を切り開くこと。

(2)活動内容

  2660地区のIACが所属する11校は、すべて私立校です。それぞれの学校で、様々な活動が行われています。

  <奉仕活動>

  各校において様々な活動が行われていますが、一例を挙げると次の通りです。

  町の清掃活動/障害者との交流/各種募金活動/献血運動/慈善バザー/フェアトレード品の販売/クリーンハイキング/薬物乱用防止啓発運動 など 

  <海外研修>

  年に一度、アジアや欧米諸国で現地のIAC会員と交流し、またホームステイをするなど、海外で直接文化や社会に触れる経験を通して、視野を広げる

  <年次大会>

  大会運営の準備や進行、他クラブとの交流などを通して、リーダシップを養い、自発的な行動力を高める

<その他>

・各IACでクラブ内での交流を深めるために、キャンプや花火大会などを開催する

・新入会員の募集活動を行う

・提唱クラブとの交流会 など

*提唱クラブとのつながり

IACは単独で存在することはできません。必ず地域のRCと一緒に活動することになります。多くの場合はRC側からの提案で学校側にIACの設置を促しますが、学校側からIACを立ち上げたいので、是非提唱クラブを探してくださいという申し入れのある場合もあります。提唱クラブの担当者は次に述べる各校の顧問の先生とのコミュニケーションが大変重要です。提唱クラブの担当者が顧問教師やIACの会員と顔を合わせる頻度が多いと、クラブ活動は可発となり、会員の成長に大きく貢献することになります。また会員の成長を肌で感じることができて大きな感動を得ることができたとおっしゃる提唱クラブの委員の人も少なくありません。人と人との交流の価値を実感できることも醍醐味の一つといえるでしょう。

 *顧問教師の役割

IACの運営が順調に行われるための最大のポイントは顧問の先生の熱意にあるといえます。まずは部員集めからが先生の御担当で、インターアクトクラブという一般的ではない名前のクラブを、学生本人への紹介や説得はまだしも、学生の親御さんたちへの説明はなかなか困難な仕事です。徳育よりも知育に重きを置く昨今の保護者の人たちへの説明は大変な努力が必要となるようです。また、提唱クラブと学校の校長や教職員とのコミュニケーションを円滑に進め、子供たちの奉仕プロジェクトの実施について常に助言し、定例の会合や放課後、休みの日の行事にはすべて付き添い、学校行事とIAC行事が重ならない配慮し、クラブの運営や財務的な措置、新たなプロジェクトの提案など、ただでさえ忙しい校務に加えて多くのお仕事をお願いすることになります。しかし、実施に担当する先生たちから「やってよかった」という声も多数上がっています。何より子供たちの成長が目の当たりにできること、例えば義務的にやらされていた奉仕活動を自発的にできるようになったり、自分にしか関心が向いていない生徒が周りの人に配慮ができるようになったりと、感動することも多いという声があります。また、奉仕活動を通じて地域の住民から一目置かれ、他校の顧問の先生と交流し、もちろん提唱クラブの担当者の人たちとの熱い交流など、先生方からも喜びの声が聞かれます。

*インターアクトの歌

最後に、国民栄誉賞を受けられた歌手の藤山一郎さん(東京西RC)が作詞作曲した

「インターアクトの歌」を掲載します。その精神が凝縮されています。

ここにつどいしわれらは ほこりもたかしインターアクト

ちいさきしゃかいに ほうしのりそう

しめせいまこそそのまこと ほほえみをもてさしのべよてを

せかいをむすぼう インターアクトわれら

 

〇2660地区内インターアクトクラブ一覧

提唱クラブ インターアクトクラブ 設立年月日
大阪南 清風学園中学・高等学校 1975年7月22日
大東 大阪桐蔭中学・高等学校 1976年6月8日
大阪帝塚山 浪速中学校・高等学校 1982年4月1日
大阪天王寺 四天王寺高等学校・中学校 1983年3月17日
八尾 金光八尾中学・高等学校 1987年7月29日
大阪 相愛中学・高等学校 2003年9月5日
守口イブニング 大阪国際大和田中学校・高等学校 2014年4月1日
高槻 高槻中学校・高等学校 2015年10月1日
大阪中之島・大阪東 開明中学校・高等学校 2017年4月1日
池田くれは アサンプション国際中学校高等学校 2018年7月1日
大阪南 興國高等学校 2022年10月18日

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