大阪のロータリー100年のあゆみ
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写真:神戸新聞サイトよりラジンドラ・K・サブー元RI会長からのお見舞い<阪神淡路大震災復旧復興支援>1994年、泉州沖に日本初の24時間空港となる関西国際空港が誕生し、大阪の新たな時代の幕開けの気分が高まる中、1995年1月17日午前5時46分マグニチュード7.2の阪神淡路大震災が発生し、150万都市神戸は壊滅状態に陥った。各クラブや各RACはいち早くボランティアや募金活動等独自の復旧支援活動を始めた。2月3日に地区災害支援対策本部が設けられ各クラブに募金を呼びかけたところ約3500万円の善意の寄付が寄せられ、2800万円を2680地区(兵庫県)に送り、残りは被災児童のニコニコキャンプへの招待、あしなが育英会への寄付等に充てられた。RACは3か月にわたりボランティア活動を行い、また、被災遺児の里親クラブ制度を設け、4才から高校生までの7名の遺児を預かる等、弱者に寄り添うロータリー精神を発揮した。<ロータリーの構造改革:DLPへの取り組み>社会経済活動の拡大と共にロータリーも発展を続け、1990年代に入ると世界の会員数は120万人を超え、2660地区の会員数も5000名を数えた。肥大化する組織をより効果的、効率的に運用する新たな仕組みの必要性を痛感したRIは地区リーダーシッププラン(DLP:DistrictLeadershipPlan)と呼ばれる新たな地区運営プログラムを提案し、1997年度より導入を開始した。DLPは地区運営効率化のため組織をスリム化し、併せてクラブへの支援をより迅速に密度濃く行うためのガバナー補佐の設置を骨子とするものであったが、それぞれに異なる国や地区の実状を必ずしも十分に反映したものではなかった。当地区でも導入には消極的であったが、会員数減少による財政健全化のため地区組織のスリム化が必要との判断の下、2002年度に27委員会を18委員会に整理統合し現在の地区組織の原型が出来上がり、併せてガバナー補佐8名が任命された。<ロータリーの構造改革:CLPへの取り組み>DLP導入に続き、RIはクラブの活力向上を図るためクラブリーダーシッププラン(CLP:ClubLeadershipPlan)と呼ばれる新たなクラブ活性化プログラムを提案した。CLPの目的はクラブ内の親睦を図り会員の連帯感を高め、会長、理事会、委員会、会員の十分な意思疎通とスムーズなクラブ運営により、より効果的な奉仕活動を行うためにクラブ自らが考え変革を促す事であったが、日本ではRIの意図が十分に理解されず、委員会の数を減らすという組織の効率化に重きが置かれた。当地区では2006年から各クラブに対して取り組みが呼びかけられ、多くのクラブが委員会を整理統合し現在の委員会構成に移行した。結果的には1990年代後半から始まった会員数減少への対応策として機能することになったが、クラブの質的変革という本質的な課題への取り組みは先送りされる事となった。7.新たなロータリーの模索(1995年~2010年)

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